成形デザイン
ホットランナー方式の金型でコポリエステル樹脂を成形するのに適したゲートは何ですか? バルブゲートです。
コポリエステル樹脂の射出成形金型に、コールドスプルーをゲート方法として使用することはできますか? はい。コールドスプルーをゲートとして使用する際は、高熱伝導性のスプルーブッシュの使用をお勧めします。スプルーの長さを 8 cm(3 インチ)未満とし、 冷却回路を近くに配置してください。軽く圧入を行い、スプルーブッシュが金型に組み込まれていることを確認してください。
コポリエステル樹脂向けの射出成形金型について、デザイン上重要なポイントは何ですか? 冷却です。キャビティ表面の全てが十分に冷却されなければいけません。成形サイクル中にキャビティの表面温度が樹脂のガラス転移温度に近づくまたは超える場合、樹脂に粘着性が生じ、取り出しが難しくなります。
コポリエステル樹脂用射出成形金型の長いコアを冷却する際の一般的な方法とはどのようなものですか? 長いコアの効果的な冷却法としては、バブラー、バッフル、スパイラルなどの冷却回路が有効です。長いコアの端まで冷却水が届かない場合には、熱伝導性を高めるために高伝熱の合金の使用をご検討ください。
ゲートエリアの冷却はなぜ大切なのですか? 射出成形の充填プロセスの間、キャビティに入っていく熱はすべてゲートを通り、その結果ゲート付近には高い熱負荷がかかります。したがって、金型の製作ではこの部分の温度制御がしっかり行えるよう注意しなければなりません。それを可能にするのが冷却回路を近くに配置する方法と、ウォータージャケット付きゲートインサートを配置する方法です。ゲート冷却回路の給排水の配管は独立していることが望ましい場合がよくあります。そうすることで、ゲート付近をキャビティ冷却から独立したものへと最適化することができます。
二次加工
Tritan製パーツの接合と組立には、どのような方法を用いることができますか? 化学的接合 - 接着剤
機械的接合 - ネジ、インサート、スナップフィット接合
熱接合 - 超音波溶着、スピン溶着、レーザー溶着、熱板溶着
超音波溶着 - 最適な接合方法は? 片側シェアジョイントと両面シェアジョイントは、シンプルなエネルギーダイレクターとの組み合わせで最適な結果を得られます。
Tritanを装飾することはできますか? はい。塗装、オーバーモールド成形、印刷、ラベルとデカールにおいて良好な結果が得られます。
どのようなインクで Tritanにプリントできますか? イーストマンは、Nazdar 社、Sun Chemical 社と共に Tritanに使用するのに最適なインクの配合を用意しました。
Tritanは接着剤接着に向いていますか? はい。Weld-on 55、Plastic Welder II 14340、Felx Welder 14345、Lord adhesives 7542 A/B、403/19、406/19、406/17 などが使用できます。
成形品デザイン
イーストマンTritan™コポリエステル では、どの程度の収縮率を見込む必要がありますか? ASTM D 955 規格に従った典型的な値は 0.005" 〜 0.007" / " (0.005 〜 0.007 mm / mm ) です。
フタに「リビングヒンジ」のついた箱を設計しています。リビングヒンジは製品寿命まで繰り返し使われます。Tritanはリビングヒンジに向いていますか? いいえ。Tritanはリビングヒンジの用途にはおすすめできません。
複数のリブのある部品を設計しています。反対側にヒケが生じないようにするためには、リブ基部の厚みはどの程度が適切ですか? 一般的なガイドラインでは、リブの肉厚を成形品の肉厚のおよそ 40-60% とします。部品の肉厚が 0.100" ( 2.5 mm ) の場合、 リブ基部の肉厚を 0.040" 〜0.060" ( 1.0 〜 1.5 mm ) とするのが妥当です。
Tritanではどのくらいまで薄肉に成形できますか? これには単純に数値を示せるような回答がありません。Tritanで成形できる最薄部分については、最終的な用途での要求性能などによって変わってきます。まず、成形品は適度な充填圧力に耐える厚さでなくてはなりません。次に、成形品は実際に使用時に必要な要求性能を満たしていなくてはなりません。イーストマンのデザインサービスエンジニアは、御社の設計を多面的に評価し合理的な部品の厚さを提案するための経験とツールをもっています。
Tritanを成形する場合、最小の抜き勾配の角度はどの程度とすればいいでしょうか? 面ごとに 1.0 〜 1.5 度が妥当な角度です。0.5 度以下で成形されたことがありますが、固着、カジリ、成形時間がかかるなどの問題が生じる可能性が高いためおすすめできません。
難燃性クラス V0 の認定を受ける必要のある透明な電気ハウジングを設計しています。Tritanで製作可能でしょうか? いいえ。Tritanは UL 規格 難燃性グレード V0 の要件を満たしていません。
射出成形
最近、当社の生産部長から Tritan™コポリマーを使ったプロジェクトを受注したといわれました。生産技術責任者として、製品の成形や加工に関する情報はどこで入手できますか。 Tritan™コポリマーの成形や加工に関する情報は
Eastman.com/products/all polymersで入手できます。リンク先のリストからご要望にあった Tritan™コポリマーをお選びください。各製品ページでは物性表、SDS、成形ガイド、二次加工ガイドにアクセスできます。
Tritan™コポリマーは乾燥させなければならないのですか。 はい、 Tritan™コポリマーは吸湿性のため成形前に乾燥させる必要があります。Tritan™コポリマーの乾燥に関する情報は「Easteman Tritan™コポリエステル射出成形ガイドライン」の 3 ページをご覧ください。このガイドラインはカタログ
#TRS-237でEastman.com から入手することができます。
Tritan™コポリマーを射出成形する場合、溶融滞留時間はどれぐらいが適切ですか。 ポリマーが推奨温度で成形されている場合、ポリマーの溶融滞留時間は 3 分から 5 分です。スクリューおよびバレル情報は 「Easteman Tritan™コポリエステル 射出成形ガイドライン」の 6 ページをご覧ください。このガイドラインはカタログ
#TRS-237でEastman.com から入手することができます。
Tritan™コポリマーを成形する場合、成形溶融温度は何度に設定すればよいですか。 理想的な Tritan™コポリマーの溶融温度は 282°C(540°F) 以下です。溶融温度は低めが望ましいのですが、射出圧がかかりすぎる状態まで溶融温度が下がりすぎないようご注意ください。成形中の溶融温度は成形機の温度設定と著しく異なる場合がありますので、常にパイロメーターで溶融温度を確認するようにしてください。
Tritan™コポリマーでの成形完了後、成形機をアイドリングさせる必要がありますか。 いいえ、Tritan™コポリマーを成形の合間にアイドリングさせる必要はありません。推奨停止プロセスは成形機バレルが空になるまでパージし、次にスクリューをホームポジションに戻しバレルヒーターをオフにして成形を終了します。